マサッチ@左利きフリーランス 〜田舎で稼ぐ〜

南アルプス市の山間部に移住。田舎で稼ぐビジネスモデルをコンセプトに日々奮闘中。


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剛 〜引っ越し〜

半年前、山梨の里山にある小さな町へと引っ越してきた。

彼の名前は、剛(ごう)。

現在39歳。27歳で小さなデザイン会社を立ち上げ、その仕事をする傍ら、大手企業のブランディングなどで成功をおさめ若くして成功した。

大学時代から付き合っている彼女と30歳で結婚。翌年には男の子を授かり住まいは横浜のみなとみらい。誰もがうらやむ成功者として生活をしていた。

誰もがその生活が永遠と続くかと思われた1年前。小さなミスがきっかけで大きく信用をなくすこととなり、会社も倒産。家族もすべて失うこととなった。

 

自信をなくした、剛は地元山梨に戻ることにした。ただ、精神的に疲れただけというわけではなくただ、今までいた場所から逃げ出したい。それだけのために全てを処分して戻った。

実家のある場所には戻らず、以前仕事で訪れたこれから住むことになる里山の棚田から見える富士山の場所までまっすぐに車を走らせた。

心の中で「なんでこうなった」「なんでおれなんだ」と何度も何度も唱えながら3時間の道のりを剛は走らせた。

 

里山の棚田は、ちょうど田植えが終わり緑の絨毯が広がり目の前には富士山が綺麗に見えていた。

 

「もう、東京には戻りたくない。実家にも。これからどうしようか。」と考えながらぼーっと景色を眺めていた。

 

どのくらいの時間が経っただろうか。ひとりの老人が「あんた、あのときの若い人だろ」と声をかけてきた。

それは、この里山で仕事をしたときにお世話になった農家のおじさんだった。

おじさんは、剛に水筒の温かいお茶を差し出して「冴えない顔して、なんかあったんか?」と聞いてきた。

剛は、心のモヤモヤが少しでもスッキリするならと今までのことをおじさんに話した。

別に何かを期待したわけでもないが、おじさんから「都会にいて頑張りすぎたんだろ、ここに大きい家だが空家がある。そこに住んでゆっくりしたらいい」という言葉に

剛は、「まー住むところもないし、いいか」と思いおじさんに紹介された古い家を借りることにした。

とりあえず、数ヶ月は何もしなくても生活はできる。その間にこれからのことを考えようと決め、剛はこの里山に住み始めることとなった。